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トレッキングシューズの選び方は?登山靴のお手入れ・保管方法も紹介

トレッキングシューズの選び方は?登山靴のお手入れ・保管方法も紹介

登山などのアウトドアを安全に楽しむためには、靴選びがとても重要です。山の険しさに合わせた登山靴を選ぶことで、足への負担を軽減し、格段に登りやすくなります。

また、トレッキングシューズ以外にも登山靴には種類があり、それぞれ用途に合ったものを選ぶことが大切です。そこで今回は、トレッキングシューズやその他の登山靴の特徴、用途、そしてトレッキングシューズを選ぶ際のポイントについてご紹介します。

1.登山靴の種類はトレッキングシューズだけではない

登山と一括りにいっても、山頂を目指す本格的な登山のほか、自然を楽しむハイキングなど日帰りで楽しめるものもあります。
登山靴を購入するときは、それぞれの目的に合わせて以下のタイプから選びましょう。

◯ハイキングシューズ
日帰り登山がメインとなる登山初心者の方のファーストシューズとしても、ハイキングシューズは選びやすい登山靴です。
特徴はスニーカーよりもソールが硬く、トレッキングシューズよりも柔らかい、ちょうど中間のような硬さをしています。

◯トレッキングシューズ
トレッキングシューズは、軽登山向けのアイテムです。ハイキングシューズよりもソール部分が硬めに作られているため、軽く整備された山道を長時間歩く場合に向いています。
ソールが柔らかいスニーカーや入門者向けのハイキングシューズよりも疲れにくく、軽いハイキングから無雪シーズンの登山まで、幅広く利用できる登山靴です。

◯アルパインシューズ
本格的な登山には、アルパインシューズを利用します。ソールも高所や厳冬期の登山を想定し硬く作られているため、岩場など不安定な足場でも安定感があります。
しっかりした作りである分重量があり、歩き方にもコツが求められるため、中級者~上級者向けだと言えるでしょう。

このような違いから、簡単な登山や初心者の方には、汎用性の高いトレッキングシューズがおすすめです。

2.登山靴・トレッキングシューズを履いて快適に歩くには?

山道を歩くことを目的に製造されている登山靴は、本格的なものほど歩き方に注意が必要です。初心者の方が初めて登山靴を履くときは、普段履いているスニーカーと異なる使い勝手に、歩き難さを感じるでしょう。

しかし、以下のポイントを意識して歩くことで、登山靴の安全性とメリットをしっかりと引き出すことができます。

  • ・膝を意識して足全体を持ち上げるように歩く
  • ・背中を曲げず小さめの歩幅で一歩一歩踏みしめるように歩く
  • ・着地は最初にかかとをつけつま先へ体重を移動させる

トレッキングシューズはスニーカーよりもソール部分が硬めに作られています。そのため、スニーカーのようにつま先だけで歩くと、かえって足を傷めてしまうため注意が必要です。

実際に山道を歩くときは、背中を曲げず、小さめの歩幅で歩くなど、登山に適した歩き方を意識する必要があります。筋肉ではなく体の中心(背骨や足の骨)で体を支えるように足をあげると、疲れにくくスムーズに山を登れるでしょう。

そして着地の際は、足の裏全体を使うことがポイントです。最初はかかとを地面につけ、つま先へ体重を移動させます。登山の際は、いきなり履いて使用するのではなく、あらかじめ登山靴を履いた歩き方の練習をしてから臨みましょう。

3.登山靴・トレッキングシューズの選び方

近年ではメンズ・レディース問わずデザイン性に優れたものも多く、登山靴やトレッキングシューズの選択肢の幅も広がりました。しかし、登山靴やトレッキングシューズを選ぶ際は、デザインやモデルだけではなく、履きやすさや疲れにくさを重視する必要があります。

ここからは、足を傷めないための選び方や、長く快適に利用するための選び方を、4つのポイントに分けてご紹介します。

3-1.山の険しさに適したカットを選ぶ

トレッキングシューズは、足首にあたる部分のカットの高さによって、以下の3タイプに分かれます。

◯ハイカットタイプ
ハイカットは足首をしっかりと固定するため、靴の中で足が前後や横方向に滑るのを防いでくれます。足首部分が覆われることで、標高が高い山や、足場の悪い山道を歩いても捻挫等のリスクが少なく、重い荷物を持っていても歩行をしっかりと支える構造になっています。

◯ローカットタイプ
ローカットは一般的なスニーカーなどと同じく、くるぶしが見える程度の位置でカットされたタイプです。軽量性に優れ、動きやすさとホールド感を兼ね備えており、日帰り程度の標高差が小さい山やキャンプに最適です。

◯ミドルカットタイプ
ミドルカットはくるぶしが隠れる程度の高さでカットされているタイプです。ハイカットほど足首は固定されずに歩きやすく、ローカットよりは足首が保護されている、二つのちょうど中間にあたるタイプとなっています。
一足持っておくと、日帰り登山や小屋泊りありの登山など、山登り入門者が幅広いシーンで活用でき便利です。

3-2.少し大きめのサイズを選ぶ

登山靴を購入する際は、実際の足サイズよりも少し余裕を持って選ぶようにしましょう。ジャストサイズのものを履くと疲れやすく、爪が割れるなど怪我の原因にもなります。

ジャストサイズの靴を履くことで怪我をしやすくなる理由は、登山靴のつま先部分が硬い素材で覆われているためです。
硬いと外部の衝撃から足を守ってくれますが、内側ではつま先に体重がかかったときに、爪が割れやすくなるというデメリットもあります。

サイズに余裕があればつま先が当たることはなく、さらに足がむくんだときも靴擦れを起こす心配もありません。

また、登山用の靴下は厚手のものが主流となっています。
靴下の厚みを想定して0.5~1.5cmほど大きめのサイズを選ぶと、指先まわりに圧迫感が出ることを避けられるのでおすすめです。

3-3.登山道に合わせてソールの硬さを選ぶ

ソールは、靴底部分を指します。
日常使いのスニーカーであれば、柔らかいソールの方が歩きやすいものの、登山靴の場合は事情が異なります。

岩場が多いなど、険しい山道を歩く場合は、道の凹凸に影響されにくい硬いソールの登山靴のほうが適しています。
不安定な足場などでも安定感があり、力を入れずに歩けるため、疲れにくいというメリットがあります。

しかしソールの硬い登山靴は、履きなれていなければ歩きにくく感じるため、あらかじめ正しい歩き方を練習して、慣れておきましょう。

3-4.雨に備えて防水性のある素材を選ぶ

山の天気は変わりやすい、という言葉を聞いたことはないでしょうか。実際、標高の高いところは天気が急激に変化しやすいため、数分前までの快晴が嘘のように突然雨に見舞われる場合があります。

突然の悪天候に耐えられるように、服装と装備に対策は欠かせません。
トップス・ボトムスの雨対策に加え、登山靴にも防水性や透湿性のあるものを選びましょう。

防水性・透湿性共に優れた素材として「ゴアテックス」という素材が挙げられます。
価格は少々高くなってしまいますがゴアテックス素材のシューズも選択肢の一つとしておすすめです。

4.登山靴・トレッキングシューズのお手入れ・保管方法

本格志向の登山靴・トレッキングシューズには一般的なスニーカー等とは異なるお手入れが必要です。
ブラシで強く擦りながら洗うといった行為は、靴の機能を低下させるため、絶対にしないように注意してください。

◯お手入れ方法
正しいお手入れ方法は、靴紐・中敷きを外して行います。靴紐と中敷きは汚れがひどい場合、中性洗剤などを利用して水洗いしても構いません。
靴本体(アッパー部分)は水洗いせず、汚れのひどい部分は柔らかいスポンジやタオルを使い、丁寧に汚れを擦り落とします。全体のホコリや軽い汚れは、靴用のブラシでサッと軽くなでるように取り除く程度で十分です。
汚れがしっかり落ちたら、湿気を完全に乾燥させた後、防水スプレーを全体にかけてお手入れ完了です。

◯保管方法
保管方法も要注意ポイントです。
購入時の箱は湿気が溜まりやすいため、保管目的での使用には不適切です。車のトランクや屋外倉庫など、高温多湿になりやすい場所も避けましょう。

風通しの良い冷暗所での保管が最適ですが、湿気や型崩れを防ぐため、中に新聞紙を詰め込んでおくことも忘れてはなりません。

正しいお手入れや保管を心がけても、靴底部分に使用されている素材(ポリウレタンなど)は5年前後で劣化します。使用する前は、事故を防ぐために必ず状態を確認するようにしましょう。

まとめ

登山靴には、トレッキングシューズの他にハイキングシューズやアルパインシューズなどさまざまな種類があります。
日帰りの簡単なハイキングやキャンプにはハイキングシューズが、雪山登山など本格的な登山にはアルパインシューズが最適です。

簡単な登山やキャンプなど、幅広い目的での使用に向いているものが、トレッキングシューズとなります。

登山靴には、普段履きなれたスニーカーとは異なるサイズ選びや、歩き方のコツがあるため、早めに購入して歩く練習をしてから登山に臨みましょう。

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