ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

『極夜行』発売

2018年02月06日 22時47分12秒 | お知らせ
極夜行
角幡 唯介
文藝春秋


昨年冬の極夜探検をまとめた『極夜行』が発売となります。早いところでは7日から店頭に並ぶそうです。

冬の北極圏の四か月間にものぼる暗黒の極夜を越えて、ついに昇る太陽を見るまでの80日間にわたる探検の記録です。この十年間、現代における新しい探検のかたちをもとめて活動してきましたが、この作品はその総決算という位置づけです。これ以上、探検的な旅はもうできないと思います。それぐらいカオスな世界です。

それに可愛い顔の犬も登場します。



もちろん総決算的旅を記した本なので、外面的にはただ暗くて寒くて憂鬱なだけにすぎない極夜世界のカオス性をどのように表現したら読者に正確に伝わるか、かなり工夫して執筆しました。その試みは、もしかしたら客観的には失敗している可能性もありますが、自分ではかなり成功しているのではないかと評価してます。五日ほど前に見本が届きましたが、自分の作品にもかかわらず、ついつい「おもしれえー」と一気読みしてしまいました。こんなことは初めてのことです。いやいやあれには困った。この事実からも、本作品が自分以外の他者にとってもかなり駆動力のある内容になっているのではないかと推察されます。

『空白の五マイル』とは異なる、地理的探検の世界を突き抜けた異次元の脱システム的世界をご堪能ください。

イベント追加情報。

2月12日に大阪・枚方市の蔦屋書店で『極夜行』のトークイベントあります。詳細は以下です。

【イベント内容】
2月9日(金)に、文藝春秋より新刊『極夜行』を刊行される探検家・角幡唯介氏。
様々な未知の空間を追い求め、常に自身を極限状態に置きながら世界中を旅してきた氏が、冬になると目指した場所が北極でした。そこには、極夜という長い長い漆黒の夜が存在します。場所によっては4ヶ月間も太陽の昇らない、未知の探検。相棒となる一匹の犬を連れての過酷な時間、世界最北の小さな村に暮らす人々との交流、そして4ヶ月振りに目にした太陽に、氏は何を感じたのか―。
準備期間を含め足かけ4年間に渡るプロジェクトの全容を、貴重な極夜の映像も交え、著書に書ききれなかった事まで時にはユーモアたっぷりに語って頂きます。
終わりの見えない暗闇世界や太陽への渇望を、是非枚方 蔦屋書店でご体感ください。

2018年02月12日(月) 50名 
時間 17:30~

場所 蔦屋書店 4F カフェスペース

参加費 1,000円(税込)

申し込み方法 電話予約・web予約

問い合わせ先
枚方 蔦屋書店
http://real.tsite.jp/hirakata/event/2018/01/4-1.html


また以前お知らせした9日の文藝春秋、10日のデサント、13日の新潮社のイベントも空席いっぱいあるようです。あんまり人数が少ないと悲しくてやる気がなくなってトークも乗らず、つまらなくなってしまうので、ぜひご参加ください。
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