若狭ネット

福井と関西を結び脱原発をめざす市民ネットワーク

大阪連絡先 dpnmz005@ kawachi.zaq.ne.jp
若狭ネット資料室(室長 長沢啓行)
e-mail: ngsw@ oboe.ocn.ne.jp
TEL/FAX 072-269-4561
〒591-8005 大阪府堺市北区新堀町2丁126-6-105
再稼働条件に違反しながら逃げ回る関西電力に福井と関西の市民運動の連帯した力で、大飯・高浜原発運転停止・中間貯蔵施設立地断念を求め、2月中旬に緊急申し入れを行い、共に追及しよう!

再稼働条件に違反しながら逃げ回る関西電力に福井と関西の市民運動の連帯した力で、大飯・高浜原発運転停止・中間貯蔵施設立地断念を求め、2月中旬に緊急申し入れを行い、共に追及しよう!

 私たちは、サヨナラ原発福井ネットワークとともに1月23日、福井県庁を訪れ、「知事は稼働中の高浜3・4号・大飯3・4号の運転停止を関電に求めてください」との申し入れを行いました。これに続いて、関西電力本社に対し「大飯・高浜原発の運転停止」と共に「使用済燃料中間貯蔵施設立地計画の断念」を申し入れ、さまざまな形で徹底追及していきたいと思います。関電本社は市民団体との交渉を拒否し続けていますので、福井と関西の市民運動の力を結集してこの壁を打ち破る必要があります。そのため、申し入れ案への団体賛同をお願いします。2月8日締切りで2月中旬に関電本社へ申し入れ、さまざまな方法で交渉の場に引きずり出し、徹底追及したいと考えています。ぜひ、賛同団体に加わり、共に追及してください。

(呼びかけ文のpdfはこちら)

若狭ネットとサヨナラ原発福井ネットの連名で1月23日、福井県知事に「再稼働条件の公約違反を犯した関西電力に大飯・高浜原発の運転停止を求める」よう申し入れ

<1月23日に提出した福井県知事への申し入れ>
2019年1月23日
福井県知事 西川一誠 様

知事は稼働中の高浜3・4号・大飯3・4号の運転停止を関電に求めてください

 一昨年、関電は大飯3・4号機の再稼働の同意を福井県に求めた際、使用済み燃料の中間貯蔵施設の具体的な計画を2018年中に示すと約束しましたが、ついに守られませんでした。その約束は大飯3・4号機の再稼働同意の条件なのですから、貴職はただちに約束不履行の代償として大飯3・4号機の運転停止を関電に求めるべきです。
また、稼働中の高浜3・4号機はプルトニウム混合燃料(MOX)を使っています。貴職は「使用済み核燃料の県外搬出は国との約束」と主張されていますが、そもそも使用済MOX燃料ははじめから行き先についての計画すらありません。つまり、貴職は、高浜3・4号機の使用済MOX燃料は地元で永久保管しなければならなくなる可能性が大きいことを承知で再稼動を認められたのでしょう。だとしたら、県民および子孫に対する貴職の罪障も限りなく深いといわざるをえません。
 高浜3・4号機の使用済MOX燃料はサイト内のプールで30~90年も冷やし続けなければ崩壊熱が十分下がりません。地元はその間のプール事故の危険を抱え込んでしまいました。そしてその先は地元で永久保管とならざるをえない可能性が高いのです。行き先の計画すらない使用済MOX燃料をこれ以上生み出してはなりません。
 静岡県知事は、使用済み燃料の行き先がないことを理由に、再稼働を認めていません。貴職もただちに高浜3・4号機の運転停止を関電に求めてください。

 若狭連帯行動ネットワーク福井県連絡先  越前市入谷町13-20 山崎隆敏
 サヨナラ原発福井ネットワーク代表    越前市瓜生町51-2  若泉政人

<2月8日締切で団体賛同を呼びかけている関西電力本社への申し入れ文案>
2019年○月○日
関西電力株式会社 取締役社長 岩根 茂樹 様

再稼働条件違反につき、原発の運転を直ちに止めて下さい

 貴職は2017年11月27日、大飯3・4号の再稼働条件として「使用済燃料の中間貯蔵施設の県外立地について2018年に具体的な計画地点を示す」と福井県知事に「公約」しながら、果たせませんでした。これは福井県民に対する「公約」違反であり、大飯3・4号の即刻の運転停止を求めます。高浜3・4号においても、使用済ウラン燃料と共に、プルサーマル実施によって使用済MOX燃料すら無責任に生み出されており、即刻の運転停止を求めます。
 原子力委員会は「余剰プルトニウムを減らすため再処理の操業を制限する」方針へ転換しており、現状では、六ヶ所再処理工場が仮に認可されても、ほとんど操業できません。国内外で高速炉開発はすでに破綻しており、高価で危険な再処理・プルサーマルは無意味なだけでなく、生み出される使用済MOX燃料は結局、永久貯蔵になります。このような下では、使用済ウラン燃料も使用済MOX燃料も、「中間」貯蔵が「永久」貯蔵になることは明白であり、福井県内、県外を問わず、どこにもそれを受け入れるところはないでしょう。
 電力自由化が進む中、原発再稼働後も、家庭用等の低圧分野では関西電力から新電力への移行が止まらないのは、原発依存の貴社経営方針に電力消費者が批判的であることを反映しています。ましてや、「公約」違反を犯し、福井県民を欺いてまで原発を運転し続けるのはもってのほかです。
 ここに、以下のことを強く求めますので、真摯に対応してください。
1.大飯3・4号と高浜3・4号の運転を直ちに止めて下さい。
2.使用済燃料の中間貯蔵立地計画を撤回してください。
3.日本原燃に六ヶ所再処理工場の閉鎖を求め、プルサーマル計画を撤回してください。
賛同団体:○○、○○、・・・

 この申し入れを賛同団体の連名で2月中旬に関電本社へ提出するため、2月8日まで賛同団体を募集しています。下記連絡先までご連絡ください。
若狭連帯行動ネットワーク(http://wakasa-net.sakura.ne.jp/www/ )
大阪連絡先:〒583-0007 藤井寺市林5-8-20-401 久保方 TEL 072-939-5660 (最終集約先はここ)
           e-mail: dpnmz005@kawachi.zaq.ne.jp
福井連絡先:〒915-0035 越前市入谷町13-20 山崎方 TEL 0778-27-8621
           e-mail: kumanote8621@yahoo.co.jp
若狭ネット資料室:〒591-8005 堺市北区新堀町2丁126-6-105 長沢室長 TEL 072-269-4561
      e-mail: ngsw@oboe.ocn.ne.jp   

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中間貯蔵施設立地はどこにも受け入れられない!

今回の申し入れは、「関西電力が進める2018年中の福井県外中間貯蔵施立地点公表が難しい」との報道が昨年11月末以降に相次いだことから、12月初めから準備を進めていたものです。12月中旬以降で申し入れ日程を調整したところ、福井県は「関西電力からの説明を受けるので年内は無理だ」と延期してきたため、福井県側の都合に合わせて、1月23日の申し入れになった次第です。
当日は、安全環境部原子力安全対策課から前田泰昌参事、坂本康一課長補佐など4名が対応し、23
分間でしたが、申し入れ文を手渡し、交渉しました。前田参事は「2020年までに県外立地点確保が新たな目標」、「使用済MOX燃料は全量再処理のために県外搬出」と回答したことから、私たちは全面的に反論しましたが、県側は沈黙したままでした。
関西電力は昨年12月26日の福井県への説明で、「今後の交渉もあるので、今年中に示すことは控えたい。知事をはじめ県民に心よりお詫び申し上げる」と陳謝する一方、「2020年までに県外での候補地を確保する方針」を改めて示しています。これを受けて、福井県知事は12月28日の定例会見で「(計画地点の)方向が出ればベストだったが、(2020年に立地点確定という)物事が遅れているわけではない」と述べ、原発停止などの罰則を与える必要はないとの考えを示しています。しかし、「2018年中に使用済燃料中間貯蔵施設の県外立地点を公表する」との約束は大飯3・4号再稼働の条件として関西電力が2017年11月27日に自ら一方的に宣言した「公約」です。再稼働条件の公約に違反した以上、運転停止でその責任をとるべきです。責任をとらない関西電力は無責任であり、それを容認する福井県知事の姿勢も無責任です。私たちは「関西電力による公約違反の居直り」を許さず、福井県知事に「再稼働条件違反、公約違反の関西電力に大飯・高浜原発の運転停止を求める」よう継続して求めていきます。

「2018年中の県外中間貯蔵立地点公表」は関西電力が自ら設定した大飯3・4号再稼働条件!

私たちは、関西電力による「再稼働条件違反」を徹底追及しますが、「2018年中の県外立地点確保」の公約実現を求めていたわけではありません。
「使用済燃料をこれ以上生み出すな!県内外を問わず、原発運転継続のための中間貯蔵施設立地反対!」が私たちの主張です。
私たちは、関西電力の「2020年までに立地点確保」にも断固反対であり、これをプッシュする福井県知事による「県外立地」方針にも反対です。関西電力は、県内原発サイト立地を画策する一方、それが福井県知事に拒否されたため、「むつ市その他」を候補地とする県外立地を目論んでいるのです。4月の福井県知事選では対立候補が「県内立地容認」だと推測されていますが、いずれの主張を支持しても、結局、中間貯蔵施設立地を促してしまいます。
原発のない自治体では、使用済燃料中間貯蔵施設の「県内立地拒否」は極めて積極的な意味を持ちますが、福井県は使用済燃料を排出する原発立地自治体であり、そこでの「県内立地拒否」は「使用済燃料をこれ以上生み出すな」の要求から切り離されるとき、「県外立地」を意味します。ましてや、福井県知事は原発推進の立場から「県外立地」を一貫して主張していて、「県内立地拒否」と「県外立地」は同じ意味です。そのため、1月23日の私たちの申し入れでは、敢えて福井県知事の「県外立地」方針には触れず、「関西電力が現に犯した再稼働条件違反」だけを取り上げ、「再稼働条件公約不履行の代償として、関西電力に運転停止を求める」よう申し入れました。それは、「公約違反を犯された」福井県知事として、また、欺かれた県民を代表して、関西電力に運転停止を求める義務があると考えるからです。

関西電力の居直りと中間貯蔵施設立地を許すな!

関西電力は、4月の福井県知事選で現職と対立候補のいずれが勝っても対応できるように、県外立地と県内立地の二股を掛けています。
使用済燃料の中間貯蔵は、原発サイト内のプールが満杯になって燃料交換できずに運転停止を余儀なくされることを防ぐためのものであり、原子力規制委員会が主張しているような「安全」のためではありません。原子炉から取出したばかりの使用済燃料は死の灰による崩壊熱が高く、プールで5~10年以上冷やさねばなりません(三菱重工製キャスクは15年以上または20年以上冷却が条件)。そうせずに乾式キャスク貯蔵を行うとキャスク内で使用済燃料が溶融事故を起こしてしまいます。成人の発熱量2kW/t以下の「人肌」程度になるまでプール内で十分冷やさなければ、乾式キャスク貯蔵へは移せないのです。逆に、そこまで冷えれば、プール貯蔵と乾式キャスク貯蔵とで使用済燃料溶融事故のリスクはほとんど変わらなくなります。だから、プール貯蔵から乾式キャスク貯蔵への移行は「安全」とは無関係であり、単に、プールに空きを作ることが目的なのです。
福井県内であれ、県外であれ、どこかに中間貯蔵施設ができれば、そこへ使用済燃料が次々と搬出され、原発の運転継続が可能になり、重大事故の危険はなくならず、燃料交換でプールに熱い使用済燃料が供給され続けるため、プール水喪失による使用済燃料溶融事故の危険もなくなりません。

使用済燃料の「中間」貯蔵は「永久」貯蔵に

他方、日本には47トン(核分裂性と非核分裂性を合わせた全プルトニウムの量)もの余剰プルトニウムが蓄積されていて、核拡散防止の観点から国際的に批判が高まる中、原子力委員会は昨年、「保有プルトニウム量が減らない限り、六ヶ所再処理工場を操業しない」方針へ転換しましたので、「中間」貯蔵は「永久」貯蔵になります。なんとなれば、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉や仏実証炉ASTRIDの開発凍結などで高速炉開発は破綻し、それを担うべき原子炉メーカーの原発輸出も相次いで頓挫し、電力自由化の下で電力会社に高速炉開発の余力もなく、オールジャパンの開発体制が内部崩壊しているからです。その結果、政府も昨年末の高速炉戦略ロードマップでは「実証炉計画の具体化」を断念し、高速炉実用化時期を21世紀後半以降へ先送り(「撤回」と認めない事実上の撤回)せざるを得ませんでした。
その結果、プルサーマルが浮上したものの、伊方3号と玄海3号のプルサーマルは仏保有量をほぼ消費してしまったため、これ以上進まず、高浜3・4号の仏保管分5.6トン(核分裂性プルトニウムの量で、全プルトニウムでは約8トン)を消費するには7~21年かかり、それでも日本のプルトニウム保管量(全プルトニウムの量)は40トン程度にしか減りません。20.8トンの英保管量は、英国にMOX燃料加工工場がないため消費できません。他方、六ヶ所再処理工場が操業すれば1年で8トンのプルトニウムが生み出され、余剰プルトニウムが急増してしまいます。そのため、六ヶ所再処理工場を自由に操業できない状況に陥り、原子力委員会が方針転換し、使用済燃料中間貯蔵施設立地が当面最重要の課題に浮上したのです。それは、「中間」貯蔵とは名ばかりで「永久」貯蔵が避けられないことを意味します。
また、プルトニウムがMOX燃料として燃やされる(プルサーマル)と、別のより重大な問題も浮上します。使用済ウラン燃料とは異なり、使用済MOX燃料はプール内で十分冷えて乾式キャスク貯蔵へ移行できるようになるには90年以上もかかり、サイト内プールでの事実上の永久貯蔵が避けられないのです。
プルサーマルと再処理に大きな制約がかかっているため、搬出できない使用済燃料がプールにあふれます。それを乾式キャスクへ移すと「中間」貯蔵が「永久」貯蔵に転嫁します。たとえ、使用済燃料をサイト外へ持ち出して再処理を強行し、MOX燃料加工してプルサーマルを実施したとしても、今度は永久に持ち出せない使用済MOX燃料となってプールへ戻ってくるのです。この悪循環を断ち切るには、使用済燃料をこれ以上生み出さないこと、原発の再稼働を阻止し、プルサーマルを阻止することしかありません。それは六カ所再処理工場を閉鎖へ追い込むことにつながるでしょう。
私たちは、この展望を持って、福井と関西の地で、原発再稼働阻止・プルサーマル阻止・使用済燃料中間貯蔵施設立地阻止の運動を強め、六カ所再処理工場閉鎖の闘いと連帯したいと考えます。

関西電力本社へ「再稼働条件違反の原発を止めろ」の申し入れを共同で行おう!

まずは、1月23日の福井県申し入れに続き、関西電力本社に対して、「再稼働条件違反につき、原発の運転を直ちに止めてください」の申し入れを福井と関西の市民運動の共同で提出し、さまざまな形で福井県と関西電力に圧力をかけていきたいと思います。関西電力は、3・11事故があったにもかかわらず、ここ数年、私たち市民運動との交渉を拒否し、申し入れを正式に受け取ることすら渋っています。この壁を突破するには大衆的な運動の力を結集するしかありません。
2月8日まで下記申し入れ案への賛同を募ります。2月中旬に関電本社へ提出したいと思いますので、ぜひとも、ご賛同のほど、よろしくお願いします。

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