羽田新ルート、20年3月29日から 国交省が正式表明
国土交通省は8日、羽田空港の国際線を増便するための新飛行ルートについて、2020年3月29日から運用を始めると正式に発表した。年間の国際線の発着数は3万9千回増えて9万9千回になる。訪日客の増加に弾みがつくと期待される一方で、新たなルートは住宅地の上空を通る。一部の住民には騒音や落下物への懸念が残っている。
石井啓一国交相が8日の閣議後の記者会見で表明した。新ルートを巡っては、7日に国交省で開いた会合で東京、神奈川など首都圏の関係自治体が来年3月の導入に理解を示した。国交省が進めている騒音、落下物対策や、住民を対象として実施してきた説明会などの活動を評価したためだ。
来年3月の新ルート導入は、訪日外国人客を2020年に年間4千万人、30年に6千万人に増やす政府目標を達成するうえで柱となる。石井国交相は「国際競争力の強化や訪日客のさらなる受け入れに向けて羽田空港の機能強化は不可欠」と述べ、新ルート導入の意義を強調した。
ただ住民の間ではいまだに騒音や落下物に対する懸念が根強くある。地域によっては上空数百メートルを通過することになるため、飛行経路の見直しやルートそのものの導入に反対する声もある。
国交省は今後も住民を対象とした説明を続ける考えで、飛行ルート導入後も経路の見直しを検討していく考えを示している。こうした対策を通じて反対する住民の理解を得ていきたい考えだ。
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